「あ、凌ちゃんさん。おかえりなさい。」


部屋でボーッとしてると頭の上から声がした。

帰ってきてたなんて全然気がつかなかった。


「はぁー…」

「なんでため息?なんかあったの?」



「あなたねー…疲れて帰ってきていつものおかえりなさいの声を待っていたわけですよボクは。

なのに、鍵開いてるのに声はしないし?呼びかけても返事がない?急いで中にきたら帰ってきてたの気づかなかったと言わんばかりのおかえりなさいで?

ため息も出ちゃうよそれは。」




「なんかあったわけじゃないんだ。ならよかったー。」



もう、ため息なんて珍しいから心配しちゃうじゃん。


「…まぁいいか。希美に言ってもわかんねーよな。で?希美はどうしたの?ため息ついてたよ。」