恋百物語


…やっぱり夢だろうか。

だけど投げられたタオルはしっかり自分の手に握られていて。

柔らかい、洗いたての香り。




「ハイジャン、か」




小さく呟いた声は青空に吸い込まれていった。




「とりあえず、マラソン日和ではあるかな」




んーっと伸びをする。

後ろから他の走者の足音。

見上げる空は青い。






トン、トンと軽く足踏みをして俺は走りだした。






全力で。