恋百物語




「佐伯」




ヘンなことを考えすぎたせいだろうか。

軽く目眩がして立ちどまると、視界が真っ暗に包まれた。

そして呼ばれたのは俺の名前。




「え!?なっ…!タオ、ル…?」




視界を覆った布の正体は放り投げられたタオルだった。

慌ててそれを取り、再び明るい世界を映した俺の前に、なぜか熊谷さんが立っていた。






ガードレールに腰かけて。

いつもどおりの退屈な顔。