恋百物語


そして今。

スタートして5kmは走っただろうか。

最初は団子のように連なっていた生徒もずいぶんバラけ、他の男子の姿も今は見えない。

自分がどれくらいの位置にいるのかわからなかったけど、そう悪くはないはずだ。

このままてきとうに流してゴールを目指そうと、ゆっくりしたペースで足を動かす。






角を曲がると、遥か前方に必死で走るテツの姿が一瞬見えた。






左ひざの古傷が痛んだ気がした。