恋百物語

意地を張ってる場合じゃない。

今あやまらなきゃいけないってわかってる。






なのに。






「ごめんね。松崎くん」






それを言ったのは私じゃなくて小山だった。

松崎は振り返ることなく、小山さんは悪くないよとだけ残して去っていった。




「須藤ちゃんもごめんね。私が余計なことしたせいで」




小さく首を横に振る。

まだ言葉はでてこない。

これが精一杯の意思表示だ。





小山はそれ以上なにも言わず、静かにお弁当を片づけ始めた。