「……悪かった。
でもな葵ちゃん、いつまでそうやって
現実から逃げとるん?
刹那が死んで苦しいのは、
寂しいのは、
辛いのは、
悲しいのは、
逃げ出したいんは。
葵ちゃんだけちゃうんやで?
もっともっとつらい思いしとる人もおる。
でも、前向いて歩いてかなあかんのちゃうん?」
――パシン……ッ
再度乾いた音が教室に響く。
ちか先輩の片頬が、流石に少し
赤く染まっている。
「うっ、るさい、です……っ。
分かってる……分かってます、そんなこと……!
でも、大切な人の死を、
先輩はそんなに簡単に受け入れられるんですか!?」

