男の人にこんな風に触れられたのは生まれて初めて。


ミミの心臓は高鳴ったまま、おさまることを知らなかった。



あまりに照れてしまったミミは男の子を一度見上げると、そのまま走りだした。



「あっ、ちょっと!」


呼び止められても、振り返らずにただ走った。



『あたし、変だ!』



全力疾走しながら、ミミはそう思った。



助けてもらっただけで。

頭を撫でられただけで。


ただそれだけなのに、



『胸が苦しい……』



そう、ミミは



男の子に恋をしてしまった―――