相手は人間、そして自分はウサギだと分かっていながら、ミミはタクトに恋をした。



叶わないから、悲しい。


ウサギだから、話すことさえできない。



そんな自分の運命を、ミミは恨んだ。



『人間になりたい』


そう願っていたミミをあの満月の日、


湖に現れたウェンディが叶えてくれた。



でもそれは一時の夢。



正体を明かすことさえ許されないけど、


タクトにはきっとバレてしまったんだろう。





あの後、


ミミとタクトを白い光が包んだ。



光が消えたころには、タクトの隣からミミは消えていた。