意外と強引なタクトに、ミミはまたキュンとした。



「ミミちゃん、顔真っ赤だよ?」


「そ、そんなことないよ!」


ミミは顔をそらした。


恥ずかしくて、強く目を閉じた。



「ねぇ、ミミちゃん」


不意に名前を呼ばれ、ミミはゆっくりタクトに目を向けた。


タクトは夜空の満月を見上げ、少し切なそうな表情。



「僕たち、どこかで会わなかったかな?」


「――えっ……」



思わず固まってしまった。



『どうして……?』


だって、あの日タクトが見たミミは



ミミじゃないのに―――