「では、さよなら」 話すことが無くなり、ミミは振り返って帰ろうとした。 『会えたから充分だわ』 そう思ったが、男の子がミミの腕を掴んだ。 「待って!」 驚きで、素早く男の子を見た。 「僕、今一人なんだ。少しだけ話さない?」 「えっ……」 あまりの嬉しさに言葉を失っていると、男の子はあっと言って手を離した。 「ごめん!迷惑だよね」 「ううん、そんなことない!話そう」 ミミが言うと、男の子は顔をほころばせた。