森の中を駆け抜ける。 会いたいの気持ちが、ミミの足を速める。 どこにいるかなんて分からないけど、ただ走り続けた。 「きゃっ!!」 足に何かが引っかかり、ミミは勢いよくこけてしまった。 「いったーい……」 そう言って顔を上げた時、ミミは初めてそこがあの湖の近くだと気がついた。 水面には黄色い満月が幻想的に映っている。 しばらくの間、ミミは湖を見ていた。 目が離せなかった。 そしてなぜか、ミミの青い目から涙が溢れ出す。 『お願い、神様。 ――あたしを、彼とお話ができるようにしてください』