初恋キッス








思いあたる節は一つだけ

「あ、千尋?今日は一緒に帰れなくてごめんっ」

あたしの言葉にピクッと眉を
動かしたのを見逃さなかった

わかりやすいやつ…

「……」

「言いたいことがあるなら我慢しないで言ってほしいかなぁ♪」

ていうかさっさと吐き出せコンニャロ

少し黙って待っていると
ゴニョゴニョとなんか言いはじめた

「なに?もっとハッキリ言って!」

あたしから視線をそらして
また眉を寄せて

「なんでもねぇよ…!」

「こんだけ待たせてなんでもねぇなんてないでしょっ!!」

「そんなに待たせてねぇしっ!ていうか俺今日泊まるから」

「え!!なんで!?」