携帯をカバンの中にしまうと、打ち合わせの行われる会議室へ向かった。 少し時間が早いけれど、中で待っていよう。 今は誰かがいたほうがいい。一人だとどうしようもなく拓夢に会いたくなる。泣きたくなる。 涼子さんかスタッフの何人かはもう来ているだろうと思い会議室を開けたら、中には誰もいなかった。 なんだ。 「…結局一人か。」 少し小さめだけど綺麗な会議室。 その一番奥の席に座り、椅子を後ろに半回転させて窓の外を眺めた。