あたしたちは、5人で久しぶりに喋って楽しんだ。
まるで、今までの空白の時間を埋めるように。
「よし、飲み比べるわよー。」
「よっしゃ。」
唯の飲み比べの誘いに乗っかるのは、哉太と今日の主役である恭ちゃん。
「ほら、爽華。
あんたも強制参加よ。」
「そうだ、雄貴もだ。」
若干酔ってるのか、上機嫌の哉太。
そんな二人の誘いに断れなくて参加となったあたしと雄貴。
しかも、音頭は恭ちゃんの奥さんになる綾さんだ。
1時間後。
「よし、みんな口ほどにもないな。」
勝ったのは、当然っちゃ当然の唯。
因みに、一番最初に脱落したのは、哉太と雄貴だった。
「相変わらず、畠中は強いな。俺も明日授業がなきゃ、張り合えたのにな。」
「あら、教師が言い訳なんてしていいの?」
「いいんだよ。
そんなことより、浅倉も大したことないな。」
あたしが、ちょっとこばかにしたのが、カチンときたのか雄貴も負けじと嫌みを言ってくる。
「あたしだって、保さんから飲んじゃダメって言われたから。飲まなかったの!!」
「保さんって誰?」
「婚約者よ、爽華の。恭介、知らないの。」
知らないよ。って半ギレで恭ちゃんは、あたしに何やら尋問をしてきた。
「婚約したんだったな……」
恭ちゃんからあたしへの尋問中に呟いた雄貴の声は、近くにいた唯と哉太には届いて、あたしたちには届かなかった。
その声は、なんだか悲しそうだった。

