夏が終わろうとしたある日、自宅に一通の結婚式への招待状がきた。
「え、嘘。」
この人からの招待ですから断ることはせずに出席した。
「あら、珍しい。
あんた出席しないと思ってた。意外ね。」
「だって、恭ちゃんの結婚式なんだもん。
無理矢理会社休みにしてもらいました。」
そう、今日は恭ちゃんこと柳田恭介の結婚式なのだ。
恭ちゃんは、なんだかんだで中学、高校とお世話になった。
いえば、あたしのママ的ポジションにいた人。
「恭介も、来ないかもって心配してたしね。」
「あー、うん。
大丈夫だよ、いつまでも気にしてらんないから。」
あたしの表情で何かを悟った唯は、あたしの頭を優しく撫でた。
「唯、爽華。
こっち来いよー。」
哉太の呼ぶ声で隅にいたあたしたちも中央に向かった。
今は、式も終わってバイキング方式の恭ちゃんたちの知人だけのパーティーなのだ。
「浅倉、来てくれてサンキューな。」
「何言ってんの?
来るの当たり前だし。何たって恭ちゃんの結婚式なんだし。
だって、恭ちゃんが主役になれることって数少ないじゃない?」
冗談を半分入れて、答えたから恭ちゃんはビックリしてた。