トライアングル、ラブ


時計の針が、8時を指したところで、西条さんがやって来た。


「相変わらず、時間ぴったりなんですね。」


「君こそ、早いな。
それと、敬語は止めてくれ会社じゃないんだ。」


ふふって笑って、あたしは「はい」って返事した。
あたしたちは、いつもの店に揃って入り席に座るとこれまたいつものメニューを注文した。


「実は、俺も移動になった。
君と同じ所なのだけどね。」


「保さんもなの?
やった、一人って心細いんですよね。」


「それでだ、俺は君に伝えたいことがある。」


いつも以上に真剣な声だから、食べてる手を止めて、保さんの顔をみる。


「……結婚してほしいんだ。
今すぐにと言わない、考えてほしんだ。」


「結婚ですか……。」


結婚。
保さんは、真剣な表情であたしにプロポーズをしてくれた。



「いきなり結婚とまではいわない。婚約でもいい。」


あまりにも真剣な表情すぎて保さんの質問にコクんとただ頷いた。