西条保。
あたしの上司であり、なかなかの期待されている人なのだと女子たちが騒いでいた気がする。
顔も整っており、長身だからなのかわからないが、人気だ。
他人事な言い方だが、一応あたしの彼氏なのである。
別に、彼氏とかいらないと思ったし作ろうとも思わなかった。
だから、西条さんが最初想いを告げてきたとき、丁重にお断りしたのを覚えてる。
西条さんは、それを不満に思ったのかとりあえず付き合えと言ってきた。
横暴かと思ったが、黙って頷いたのを思い出し笑えてきた。
「あたしって馬鹿じゃん。」
押されたら駄目みたいで、断ることが出来ないなんて、全然成長していない。
保さんのこと好きって聞かれると頷ける。
あの頃より、あたしは保さんが好きになってる。
ちょっと、俺様的な見た目のくせに
優しいところは、本当に有り得ないくらい優しい。
大人の男性の手本としてもいいんじゃないかっていうくらい紳士的で。
出会ったばかりのあたしじゃ考えられない。
でも、今は保さんが好きだ。