高校の頃の淡い記憶を思い出してから、早いことで3年が過ぎようとしていた。
この3年くらいの間で、あたしは昔の記憶を思い出して悲しくなることはなくなった。
あれから、唯とも会ってないし恭ちゃんとも……
もちろん、雄貴とも。
これが、あたしたちに起こる出来事だったのかもしれない。
そんなあたしでも、今のところ、あたしは少しずつ一本前に進んでる気がする。
「浅倉さん、今晩飲みに行かない?」
突然の同僚の飲みのお誘い。
この子は、常に飲みに行きたがるようなそんな人。
「うーん、今日はちょっと。」
「え、用事?
さてはデートだな~。仕方ないまた今度飲みに行こうね。」
デートって言ってないのに、勝手にデートってことにされた。ま、デートじゃなくもないけどさ。
「浅倉、ちょっといいか?
この企画なんだが……」
「はい、ちょっと待って下さい。」
部長に呼ばれ、急いで向かう。しかし、何か悪いことしたかな?
「はい、なんでしょうか?何か間違いがありましたか?」
いつも以上に笑みを浮かべていた部長に頭が?になった。