ふぅ、と一息をついた爽華は再び口を開いた。


「今更、どうって考えないな。でも、一つだけ。
どうしても叶えたい願いがある。」




あたしの願うことは一つだけ。






「じゃあ、唯。またね。」


爽華は、唯に手を振って喫茶店を後にした。
唯は、その姿を見て呟きだした。


「爽華の願いか……。」


あたしの願いは、一つだけ。
それは、雄貴が幸せでありますように。

君が幸せならそれでいい。
ただ、それだけ。


「ふぅ、だから。二人って似てんだよなー。」


唯は、独り言をいいながら歩いていた。






どんなに、嫌いになっても。


どんなに最悪な別れたかをしても。

いつも考えるのは、君の幸せだった。
君は、あたしを救ってくれたから。
自分がどうなろうとも、君が幸せならそれでいい。



それが、





あたしの願いだから。