「貴方が私の運命の人だったのですね。
一度にならず、二度までも助けて貰い。」
「俺は、貴女の泣き顔を見たくないだけです。
助けたなんて、そんな。」
「謙遜なさって……。
そんな貴方が私は、大好きです。」
姫の一途な想いが、姫の王子様に伝わって、二人は幸せに暮らすのです。
パチパチ……。
観客から、壮大な拍手が聞こえる。
幕が閉まると共に、あたしのもとに雅が駆け付けてきた。
「てか、なんで雄貴が登場してきたの?」
「あ、それね。」
雅が、本宮くんの代わりの役者を探しにいったところに偶然にも雄貴がいたそうだ。
雄貴に事情話したところ、出演を許可してくれたそうだ。
「よく、でたね。
しかも、王子様役だなんて……。練習付き合ってくれた時、恥ずかしいって言ってたじゃん。」
「仕方ないだろ?
困ってたんだし。」
恥ずかしいとかいっときながら、困ってる人をほっとけないんだよね。

