=回想=
「お願い、爽華。
私をいや、私達を助けると思って。」
は?
いきなり、朝来たら雅があたしに頭を下げてお願いしてる。
「いや、状況が掴めないんだけど……。」
雅が話すには、演劇を上映するにも人数が足りなくて上映出来ないでいたらしい。
学校でやる最後の演劇だから、何が何でも、出演したいそうで……
「で、あたしに出てほしいと?」
雅は、コクコクと頭を上下に揺らす。
「さっしがよくて、いいね~。だから、ね。」
「あたしが、断れないこと知ってて頼んだでしょ?」
「ピンポーン。」
雅に呆れてため息をつきながら「いいよ」っと返事をした。
「美夜は?」
「私は、無理だよ。
大きな声とか出ないしね。」
美夜は、なんとか出演を免れたらしい。
しかも、恋愛物なんだとか……。
あぁーあ、それなら断ればよかった。
=回想終わり=

