あたしは、クラスごとに座るようになっている為、雄貴の隣に座った。
「わぁー、宮原くんだ。」
可愛らしい声と共に、あたしたちが座っている所にむかって来た、西澤さん。
「あ、浅倉さんも一緒なんだねー。よろしく。」
一瞬、なんでコイツいるわけ?みたいな冷たい表情になって、瞬時にいつものようにニコニコした表情に戻った。
「西澤さんも、委員になったんだね。」
「そうなんだよね。
ま、宮原くんが居るなら、委員になってよかった。」
西澤さんは、ニコニコ笑って自分の席に戻った。
波瀾万丈の学園祭が始まろうとしていた。
あたしたち二人の仲に、小さな亀裂が入ることになるなんて、この時は、まだ知らなかった。
そして、全部。
西澤毬乃の手の平で動いていたなんて……。
歯車は、すでに狂いだしていた。