恭ちゃんと話してから、数ヶ月が経ち、あたしたちはとうとう最終学年、3年生となった。
「いいか、3年生になったんだ。進路実現の為、一緒懸命がんばるんだぞ。」
担任の話しが淡々と続いていく中で、あたしだけは桜を見つめていた。
「……ら。浅倉!!」
先生の声にビックリして、思わず立ってしまう。
「聞いてたか?
いいか、気を引き締めていくんだぞ。」
「あ、はい。」
座れ、と先生に言われて、椅子に腰をかける。
先生の話しが終わって、雄貴があたしの元に来た。
「何、見てたんだ?」
「桜。
変わらないなって思って。」
雄貴は、笑っていった。
「変わるわけないだろ」って。
「そうだね。
雄貴はさ……「おーい、雄貴。お前に客だぞ。」
クラスの男子の呼ぶ声が、あたしの言葉を遮った。
「あぁ、今行く。
って浅倉なんか言った?」
「ううん、なんでもない。
行ってきな?」
雄貴は、不思議そうに教室のドアに向かった。