「あんたも、結婚話の1つや2つないの?」


「え?」


「お母さんとお父さん心配なんだよねー。
行き遅れるんじゃないかって。」

いや、余計なお世話だし。


「ふーん、そ。」


結婚なんて考えてないあたしは、速くその話を終わらせようと適当に空返事をした。


「知り合いは、皆結婚していってるっていうのに。
焦りがないのよ。」


焦りね………。


「昔は、雄貴君と仲がよかったのに。
ねぇー。」


え?


「ほら、よく家に遊びに来てたあの!」


「うん、そ。
あたし、疲れちゃったから寝るね?」


そう言うと、その場から逃げ出すように自分の部屋へと向かった。