「あ?」 眉をよせこちらを見つめる。 「だから、あんたが日高 要?」 さらに言うと整った顔でじっとこちらを見た。 色素の薄い瞳が自分の姿を捉えて離さない。 だから自分も目を反らさなかった。 「…………ムリ」 「……は?」 急に相手が口を開く。 ………なに、急にわけわからん。 って、自分が話振ったんだけど。 「………なに?」 「…………やっぱ、思い出せない。あんた、誰?」 ……どうやらいままで思い出そうとしていたらしい。 まぁ、思い出せないのも無理はない。 だって、会ったことないし。