GIFT

そいつに目を向け、凝視する。

栗色の髪をオールバックっぽく後ろに流して、タバコをふかしている顔は整っている。少し吊り上がった目元。

だけどけして細くはなく、その回りを髪と同じ色の睫毛が縁取られている。

薄く、形のいい唇からタバコの煙を吐き出す。


「………今、何時?」

「……12時半ぐらい?」


時計も何も見ずに適当に返事された。

結局自分で携帯を開き、確かめると、携帯には12:48分と表示されている。

ついでにデータフォルダを開く。
“ピクチャー”に入っているひとつの画像を見て、ちらりとタバコをふかしているそいつの姿を見た。


間違いない。


「ねぇ」


「あ?」


そいつはやはりこっちを見ずに答える。













「あんたが日高 要(ヒダカ カナメ)?」










その言葉に、やっとこちらに顔を向けた。