私の中の子供達

「お~い…」


肩を軽くゆするが反応がない。


今度はもう少し強く。


「ほら、もう遅い時間だ。帰らないと…」


と、言いかけた時。


ピノ子が勢いよく、ガバリと起きる。


眉間にシワと、クシャクシャの髪を見せつけて。


「…うるさい」

「え?あ…悪かったよ遅くなって。でももう起きないと…」


「…うるさい…ねかせろ…」



半開きの目が、尋常ではない程の不機嫌さと圧力を放つ。


「あ…はい」


それを聞いたかどうかはわからないが、パタリと体をソファーに倒し、元の安らかな顔で寝ていた。


「こわっ」



ピノ子は驚く程に寝起きが悪いようだ。