私の中の子供達

疲れと寒さから自然と早歩きで、かつ足を滑らせないよう注意を払いながら帰った。


マンションの玄関で雪を払いながら、郵便物を確認する。


「くああ、疲れた…早く寝よう」


誰に言うでもない独り言をぼやきつつ鍵を開けると、明るい部屋が目に飛び込んできた。


ピノ子が電気をつけたままにして帰ったのだろうか?


玄関にコートを掛け、ドアを開ける。


と、


ピノ子がソファーで気持ち良さそうに寝ているではないか。


…待っててくれたのか?


真意はわからないが、俺は一先ず手を洗ってからピノ子を起こす事にした。