俺は正直、ちょっとだけ困っている。


あれからというもの、ピノ子がウチに来た時は必ずと言っていい程に夕食を食べて帰るようになった。


単純にすごくうれしい。その気持ちに偽りなんてないし、肝心の「おかえりなさい」が、疎かになっている訳でもない。


とても楽しい。


だからこそ、逆に不安なのだ。



何故わざわざ、ピノ子は俺の家で夕飯を食べていくのだろう?という疑問。


単純にここで食べた方が時間の短縮が出来るとか、片付けをしなくてもいいとか、イマイチな理由しか見当たらず、なんとなくむずがゆいのだ。


もしかすると、そんな事考えるだけ無駄で、ピノ子にはすごくシンプルで合理的な考えがあるのかもしれないし、無いのかもしれない。


要するにこのむずがゆさが、居心地が悪いだけの事だ。


だから、ちょっとだけ困っているんだ。