それから、すっかりご機嫌モードのまま寝た俺の朝の目覚めはスッキリしたもので、目覚まし時計のスヌーズ機能を使わずにベッドから脱出できた程だ。


新聞片手にインスタントの味噌汁。トン、と置いたお椀の湯気の向こうには、カラシの効いた納豆ご飯が待っていた。


「朝はこれだよなあ」


清々しくご飯を食し、歯磨きを終えた俺はベランダに出て、靴下をひったくる。


「さむっ」


凛と透き通る様な寒さ。地面にうっすらと霜が降りている。冬支度を済ませた街路樹が暖かそうに、ひっそりと佇んでいた。