こうして万全を期したと思われる頃、運命の月曜日はやって来た。「その日は朝から夜だった」ならどんなにいいだろうと思いながら、会社へ渋々行く俺だった。



「平井さん、今日の夜空いてますよね?」

いつもに増してゆるんだ顔で、島田が話かけてきた。


「空いてない」


両手で力強く×を作り拒否をする俺。


「平井さん、俺今日誕生日なんですよ」


身を乗り出す島田。


「だからなんだよ」

「おごって下さい!」

ビールジョッキを飲む真似をしている。


「知るか」

「ひっでぇーな。可愛い後輩の誕生日を祝ってくれないんですか?1年に1度きりなんすよぉ?」


お前は俺の彼女か…と突っ込みたくなるのを抑える。