そして数日後、時は年末。

正月休みに突入した俺と、本日休みのピノ子は年末の大掃除という行事をやってみる事にした。

きっかけは昨晩、テレビを見ながらの会話だ。


「年末恒例の煤払いかぁー。そういや、ピノ子って大掃除とかしたい方?」

「いいえ。したくない方の人間」


食後の紅茶を飲もうと、マグカップを両手で持ち、ふうふうと冷ましながら答えたピノ子。


「じゃあしなくてもいいか」

「でも、今年はやりましょう」


ずず、と、ひとすすり。


「いや、今やりたくない方だって…」

「やるって言ったらやるの!」


鋭い眼光の奥に、怪しく秘められた高揚感。

謎の、百八十度回転された思考により、明日の予定は有無を言わせずに決定されてしまったのだった。