なので俺はまた、言い訳じみた事実をかいつまんで話した。

「ね、ね、そんなの信じられないデショ!!」

島田が外国人並みの、大袈裟な身振りで皆に同意を求める。

そして頷く同僚共。

「平井さん独身なんだから別に隠さなくても…」

「やー、犯罪だから隠すでしょ」

「うーん、羨ましい。その話が事実だとしても、その娘は平井さんの事が好きとしか思えないよな」

「いやいや、訳あり娘を金で囲ってるというという可能性もある」

「だーかーらー、まとめて否定する!!あの娘とはそんな関係じゃないし、金で囲ってもいない!!」


それでもまだ、疑惑の晴れない眼差し達が無言の圧力をかけてくる。全くもって面倒だ。…島田、全てはお前のせいだぞ。


「うーん、皆が言う様な事は無いんじゃないかな?」


この危機的状況を救ったのは、意外にもあの、芹沢女史の一声だった。