皆で1枚の用紙覗き込むと、
ボランティア実習と書かれたタイトルの下には、
2月末からカンボジアでボランティアをすること、
帰って来たらレポートを出すこと。
それに合格すれば、一般教養2単位がもらえること。
参加費用18万円前後かかることなど書かれていた。
カズと私は、すぐに用紙から頭を話した。
笑いが止まらないのだ。
確かに、これに行けば、単位は取れて、卒業できる。
「単位を金で買えっていうの!?」
と、なっちゃんが再び事務室の戸をあけると、
「大変ね。」フフフと笑われて終わった。
大学ってこういう所なんだ、と今頃知った。
「ほら、カンボジアってアンコールワットがあるし。」
沙羅ちゃんが言った。
私の興味が動いた。
私だって、アンコールワットくらい聞いたことがある。遺跡でしょ?遺跡っていえば、インディージョーンズでしょ?
笑いが止まったところで、言った。
「私行ってみたいな…。」
「行く!?本当に行く!?」
なっちゃんが聞いた。
「え?行ってみたいなと思う。親に相談しなきゃだけど。」
「みんなで行っちゃう?卒業旅行カンボジアにしちゃう?」
「それ楽しそう!」
皆でわいわい行った。所詮他人事。
「私は、親に、こんなこと言えないよ。こんな…単位をお金で買うようなこと。」
なっちゃんが真面目な顔で言った。
「でも、行かなきゃ卒業できないよ?」
「みんなより半年遅れて卒業するの?そのために半年間学費払うの?」
さっちゃんと、弥生ちゃんの話しを聞いて、なっちゃんは、少し考えると言い、今日は解散した。
私は、参加したくて、うずうずし、家に帰ったら、すぐにでも言うつもりで家に帰った。