コイノユクエ

私は、お寺に着くと母の墓の前に立つ父の姿を見つける。

近寄ろうとした時、父の横に立っている女の人に気付く。

白いワンピースを着た、長い髪のその人は、父に寄り添うように立っていた。

私は咄嗟に身を隠していた。

誰?
まさか、お父さんの彼女!?
何で二人で、お墓に…?

不快な感覚が私の胸をよぎる。

暫く見ていたが、声をかけられるはずもなく、私はその場を後にする。