初めはいつも何でも完璧で成績だって運動だって何かと欠点もない彼を負かしてやりたくてそれでも零人にだけは絶対に敵わなかった。
「今まで私に勝つ人なんていなかったから私はそんな彼だから好きになったのにこの前バッサリフラれてまだきっとあなたが好きなのよ。
あんな小娘のどこがいいのかと思っていたけど零人は口を開けばいつも柚香様柚香様だからはっきりいってのろけるのも大概にしてほしいわ。
子どもの頃に一目惚れして以来柚香様以外の方には何があっても恋愛対象に見られないからとかいうからあんなに長く思ってくれる相手いないよ。
私はたしかにあの人を好きだったけど私にとってこれは過去の思い出で私再来月零人とは全く違うタイプの新人俳優と結婚するの」
『それって零人さんはまるでいつまでも恋に執着しすぎる人でその人しか愛せない一途さが取り柄みたいにしかきこえませんね。
結婚おめでとうございますでもやっぱり結婚する相手にはこの人って思う何かがあるっていいますけどやっぱりあったんですか?』
幸せそうに笑う彼女はどうやら昔から彼に勝ちたくて意地悪をし続ける執着心がもしかしたら彼女自身を苦しめていたのかもしれない。