零人はそれから部屋で窓の外ばかり見つめていた。 まるで両親を失って泣き叫んでいたあの頃と同じ目をしていた。 完全には無理でも前のように元気になってほしかった。 しかし柚香の言葉など今の零人には届かない。 庭に出ると文彦が着物を着て歩いていた。