「ああ、朝は迎えの車が来ますの。

独り暮らしをすると父が心配して。

たまに電話したりしてますが、心配だからって父もあの車に乗って会社に行きますの。」


「つまり、お父さんが今の車に乗ってたの?」

皐が言う。

「いいえ、

私の家に父と運転手が来ますの。

そして、私が乗りますと父の会社で父を降ろして、今、ここに来ましたの。」






皆で登校する。


下駄箱


「あれ?」

朝日が言う。

「どうした?

靴の中が溢れるほどの画鋲の山だとか?」


幸大が言う。

「いや…これ…」


封筒を見せる。

裏にはハートのシール。


「なぁ、こんなハートのシールってどこに売ってんだろうな?」


「そこかよ!」

朝日が言う。


「だって、朝日って昔からたまにラブレターくらいもらってるだろ?」


「でも!

ここは金持ちのお嬢様学園だぞ!?

清楚なお嬢様が俺にだぞ!?」


「お兄ちゃん…朝から危ない。」

「へぇ、朝日君ってモテるんだね。」

皐が言う。

「…。」

「真知さん、どうかしましたの?」

麗美が言う。

「あ、ああ。


うん、いや、何でもない。

ただ、朝日がラブレターとか驚いちゃったからさ。」