「後は麗美さんだけですね。」

夕日が言う。

「ああ、麗美はいつも車だから。」

真知が言う。

「やっぱり、リムジン?」

朝日が言う。

「さぁ?

見たことはないんだよね。

帰りに一緒の時は遊んでから電車で住宅街まで一緒に行くし。」


「住宅街か…

てっきり高級住宅街かと思った。」

幸大が言う。

「麗美は独り暮らしだから。

あ、ちなみに私は高級住宅街の西区。」

「私たちと渚は北区だよ。」

睦月が言う。

「君たちは?」

「俺たちも商店街側の住宅街です。」

朝日が言う。

「俺も。」

幸大が言う。

「確か、幸大君も独り暮らしだっけ?」

皐が言う。

「ああ。」



キキーッ!

車が幸大たちの近くで止まる。


ガチャッ、

運転手が後ろのドアを開けた。


「皆さん、おはようですの。」


麗美が降りてきた。


「おい、幸大。

あれって…

ドアの部分に傘が入ってる有名な車だよな?」


「ああ。

親父も海外の家に置いてるぞ。

ロールスロイスだろ?」

「この非庶民!」

朝日が嘆く。

「それは悪口なのか?」


「あの、麗美さん。

独り暮らしなんですよね?」

「そうですわ。」

「なのに、運転手つきの車かよ。」

「あれ?

麗美ってアパートでしょ?」

真知が言う。