翌日、朝


「はぁ…暑いな。

そろそろ夏か。」

幸大が言う。

「夏服は来月からですから一週間はこのままですよ。

幸大さんは男性なので上着を脱げますけど、妃学園はお嬢様ばかりなので簡単にブレザーを脱げないんです。」


「はぁ…幸大。

お前は暗いんだよ!

もっとポジティブに行こうぜ?」

朝日が言う。

「何だってんだ?」

「来週は夏服!

女子もブレザーを脱げば…

それに暑いから汗でさらにブラウスが…


ぐふふ…

しかも来週からは水泳が…

むふふ…」


「お兄ちゃん…なんか危ない…」

「あ…朝日、危ないぞ?」

「え?」


スパーンッ、


「あだっ!?」

朝日の頭が鞄で殴られる。

「あんた、今、変質者の顔だったわよ?」

「ま、真知!

俺が変質者ならお前は通り魔か!

後ろから殴りやがって!」

「前から良いの?」

真知が言う。

「良いわけあるか!」

「貴様は朝から騒がしいぞ、変質者。」

「渚先輩まで…」


「渚、おはよう。」

「ああ、おはよう。

それから、夕日君に真知君もおは…」

「だーれだ?」

渚の目が覆われ、皐の声がする。

「皐君?」

「ざんねーん!」

渚の目を塞いでいた睦月が言う。

「あ、声は私です。」

皐が言う。