「そもそも、もしあいつが私と戦った時と同じ性格で同じ態度だったら…

渚も睦月も、一緒になんかいないわよね。」

「そもそも、朝日君や麗美ちゃんみたいな子も…というか、幸大君の回りにいる人たちもそんな酷い人とは一緒にはいないよ?」


「私も主くらいは選ぶに決まっておろう。」

「…。


皆、帰るわよ。」

「は、はい。」

瑠璃たちが渚と睦月の横を通った。


「ねぇ、瑠璃ちゃん。

私たち、また仲良くできないかな?」

「私も貴様と仲良くしたいとは思わないがせめて、親がらみの怨恨のない付き合いがしたいものだ。」

睦月と渚が言う。

「…。

簡単に言わないで。

何のリスクも負わなかったくせに…。」

「そんな…」

「そうか。」



「…でも、賭けに私は負けたから彼の所には行かないとね。


あんたたちも彼の所にいつもいるらしいわね。」


「うん。」

「召し使いとして当然だ。」


「そう、じゃあ、嫌でも会うことになるわね。


…また、明日。」


瑠璃たちは歩き始めた。



「まったく、素直じゃない奴だ。」

渚が言う。

「渚も人のことを言えないと思うけどね。」

睦月が言う。

「帰るぞ!」

「うん。」