「ん…?」

保健室へ向かう途中。

「…朝日?」

「もうちょいで保健室だから!」

「あんた、すごい汗…

って!

私、お姫様抱っこされてるし!!

下ろしてよ!」

「保健室に着いたらな!

サッカーボールが当たって気絶するなんて当たりどころによっちゃあ脳震盪を起こしてっかも知んないんだ。」



朝日は全速力で廊下を走った。



保健室


「どうかしたの?」

保健医が言う。

「体育でサッカーボールが当たって気絶して…

って。

なんだ、また寝たのか。」


「あら、顔も青いわね。」


「あの、ベッド貸してもらえますか?」

「ええ。

でも、ボールが当たったなんて大丈夫かしら。

外傷がないから大丈夫とは思うけど。」


「その辺は、詳しい奴がただの気絶だって言ってたので。


あ、俺は少し出てきます。

すぐに戻ってきますから。」

保健室を飛び出す。

「あ…

戻ってこないで授業出てくれないかしら…」