閖が転校して数日後



体育の授業


外でのサッカー。



「はぁ〜。

めちゃめちゃ暇だ。」

ゴール前、キーパーを努める幸大。


「こっちのチームは攻撃的なチームだから。

私もディフェンスだから暇だし。」

皐が言う。


「二人とも、そっちに行きましたわ!」


フォワードやミッドフィルダーをこなす麗美の号令。


「きゃあっ!?」


バシッ、

皐の顔面を目掛けてきたシュートを幸大がキャッチした。


「麗美!」


ブンッ、

麗美に投げる。





逆のゴール前



「暇だ…。」

朝日が言う。

「私も。

まったく。


強すぎるからディフェンスって…


ああ〜!

シュートを打ちたい!」


真知が言う。

「真知ちゃんらしいな。」

「昔から男の子みたいって言われて育ったからかな。」

「そう?

真知ちゃんは十分女の子らしいと思うけど?」

「どこが?」

「可愛いところとか。」

「な!?

は?

なに冗談言ってんのさ!

ナンパはお断りだって。」


「まぁまぁ、照れなくても良いじゃん。

ちなみに、ナンパの返事はいつでもOKだぜ?

年中無休で受け付けてるから。」

「はいはい。」

「でも、真知ちゃんは可愛いと思うぜ?

これは冗談じゃなくて本気で。」