秘密基地


「…。

君は学園を何だと思ってるんだ?」

渚の第一声。

「水と食料やいざという時のサバイバル道具。

暇潰しのトランプを始めとしたゲーム。

なかなかだろ?」

幸大が言う。

「あはは!

本当に君は面白いね〜。

同じクラスの皐が羨ましい。」

睦月が言う。

「えへへ。」

皐が笑う。


「で…話って?

一応秘密基地は全部防音加工がしてある。」

幸大が言う。


「あの、わ、わたくし…

転校するのです。」

閖の言葉が沈黙を生み出す。


「い、いつ?」

真知が言う。

「一週間後に。」

「どこに行くの?」

皐が言う。

「アメリカのニューヨークに。」


「一人だけ残ったりはできませんの?」

麗美が言う。

「はい。

今回のは私のお役目もございますから。」

「お役目って何なんですか?」

夕日が言う。

「それは言うことはできません。

ごめんなさい。」

「だったら!!」

朝日が言う。

「だったら…その、

今度、送別会とかしようぜ?

なぁ?」

朝日が明るく言う。

「まぁ、当然だな。


閖の意思次第だが。」

幸大が閖の方を見る。

「私なんかのためにそのようなことをしていただけるなんて…

嬉しいです!」