学舎ハーレム

「判定と試合開始の合図は副部長に任せるわ。

審判が一人だけど良い?」

「ああ。」


スッ、

二人が構える。


「始め!」

副部長の合図。

スパァンッ、

部室に響く乾いた打撃音。



「え…?」

部長が声を洩らす。

部長は構えたまま。

そして幸大の竹刀は部長の面に当たっていた。

「…。」

審判である副部長を始め、全員の沈黙。

「おい、審判。


打突部で打ってるんだけど、判定は?」


「え、あ…

面、一本!」


静寂が続く。

「俺の勝ちで良いんだよな?」



「…。

ふぅ。」

部長が面を取る。

「参ったね。

こんな簡単に負けるなんて。」

「だが、防具を着けてたら動きが鈍くなってたかもしれない。

だから、本当の試合なら…」

「良いよ、慰めてくれなくて。

多分、君の方が強い。

部活見学だっけ?


いつでも来て良いよ。

むしろ、また私と勝負して欲しいな。

あ、もちろん手加減はしてね?」


「ああ。」


「そうだ、渚とも試合してみる?」

「いや、さすがにこれ以上部活の邪魔はできねぇし…」

「そぉ?

じゃ、見学は部室の隅っこでね。

君も。」

朝日を指さす。


「あ、はい。」