「さっきも言ったが、ただではない。」

「…私にできることなら…


とは言っても…何もないですけど…」


「だよなぁ…

幸大、どうすんだ?」

朝日が言う。


「そもそもここで助けるってことだけど、

本来なら閖は法律で裁かれるわけだし…」

真知が言う。

「法律に逆らうほどの貸しなんてないですよね?」

夕日が言う。

「不成立…ですか…

やっぱり…」

閖が言う。



「あ!

思い出しましたわ!!」

麗美が言う。


「何をだ?」

幸大が言う。

「私は幸大のモノですの!」


「…そうだっけ?」

「不成立な賭けですわ!!」

「…。

あ!

…挑戦権。」

幸大が言う。

「そうですの。

賭けを無効にするために私は幸大に自分自身を差し出しましたわ!!」


麗美が言う。


「幸大…意味はよくわかんないけど、麗美にも貸しを作ったの?」


「…いや、貸しじゃなくてさ。


賭けをする条件として麗美を差し出されたんだった。」


「でも幸大君が麗美ちゃんをもらったってことを忘れるなんて…」

睦月が言う。


「いえ、私も賭けに勝ったということ以外は忘れてましたの…


ですから…」

麗美が言う。