昼休み

昼食後

剣道部部室付近


「うわ…

男子どころか女子もたくさんいるじゃねぇか。」

幸大が言う。

多くの生徒が小さな窓から覗こうと必死である。


「お目当ての先輩は見れたか?」

朝日が覗こうとしている男子に言う。

「いや、それがさ皆が面をつけてて…」

「ん?

剣道って垂れに名前書いてるだろ?」

幸大が言う。

「いや、それが全員が無地なんだよ。」

「覗き対策か?

でもよ、めちゃめちゃ強いらしいからわかるんじゃね?」

朝日が言う。

「いや、剣道なら打たせるだけの時や素振りとかがあるだろ?

それに練習で仲間を打ちのめすわけにはいかんだろ?」

幸大が言う。

「こんなに混んでると見れねぇな。

どうする?」

朝日が言う。

「俺たちは見学に来たんだからコソコソする必要はないだろ?」


幸大はそう言って部室のドアをノックしてから開けた。

「ん?

何かな?

覗きは他所でやってくんない?」

面を着けた女性が言う。

「覗きじゃなくて部活見学をしに来たんです。」


「…。

ふぅん。

君は剣道に興味あるのかな?」

「いや、まったく。」

幸大がしれっと答える。

「なら、何で見学をしに来たの?」

「剣道には興味ないが強い奴には興味ある。

しかも美人なら尚更な。」