「お門違いの復讐だろ?」

幸大が言う。

「…。」

「お前のことは調べてある。

お前が一度転校する前に、な。」

「な!?」

「金持ちで温室育ちで苦労の知らない奴らが腹立たしいんだろ?」

「ええ、そうですよ…」


「閖さん…何でですの?」

麗美が言う。



「私、父とその愛人の娘なんです。」

「え?」

麗美が驚く。

「言ったことないですよ。

当たり前じゃないですか…

あなたたちは私が騙して、貶めて、絶望させたかっただけですから。」

「そんな…」

真知が言う。

「私の母は病気でなくなりました。

仕方なく父は私を養子にしたんです。


父の正妻との養子に。

もちろん、異母兄弟がいましたよ…

姉や兄だけでなく…妹にまで虐げられ…

邪険に扱われ…クズ扱い…


果ては居ないものとして扱われたんです!!

両親は世間体のために外では私をよく扱い…妃学園にも通わせました。


この学園の生徒は全員が世間知らず…

相手も自分と同じだけ恵まれてる…


その思い上がりが腹立たしい!!」

「閖…」

真知が言う。


「私は真知が気に入らなかった。

親が兄ばかりを…

ただそれだけで自分が不幸だと言っているあなたが憎かった!!

私は真知よりも酷い扱いだ、差別なんて生易しい、たとえ酷くともそこにいると扱われてるのだから!!」