「あ、ありがと!」

夕日が泣き止む。

「うん。

笑ってたらとってもかわいいよ。」

「ふぇ?」

「さて、弱いものイジメしたんだ倍返し決定!」

「は?

なんなんだよ、お前は!」

「トリャッ!」

少年は小学生の口の中に何かを入れた。


「ウェッ!?

ゲッ!

ペペッ!」

小学生は泥を吐き出す。


「ああ、悪い。

そこに団子が落ちてたからさ。

泥団子だとは気づかなかった。



で…誰かって?

俺はかわいい子のヒーロー、幸大だ!」


「は?

おい、よくも泥団子を…」

詰め寄る小学生をかわし、足を引っ掻けた。


バタンッ、

小学生が転ぶ。


「あ!

お前、やったな!?」

他の小学生が殴りかかる。

「よっと。」

ガポッ、

幸大はバケツを頭に被せる。


「ダラララララララ!」

木の棒でバケツを太鼓のごとく連打した。




「くそっ!

言いつけてやるからな!」

小学生は立ち去った。

「おぉ!

お前、すごいな!


俺、朝日。

よろしく!」

「あ、私、夕日。

よろしく。」

「二人とも太陽なんだ…


だったら夕日ちゃんもいつも明るくないと。

夕日も明るいからキレイなんだから。」

「キレイ…」