「数日前に電話が来ました。


100億よこせ…と。

もちろん断りました。

そしたら、封筒が送られて…

中には写真が…」


「皐と睦月さんの写真。」

「また電話が掛かってきて

俺たちはいつでもお前の娘たちを誘拐できる…と。」

「そうか。

で、金はどうしたんですか?」

「集めれませんよ。

頑張っても10億。

それだって借りれる所から借りれたらの話。

家や家具、何もかもを失っても100億なんてとても…」


プルルルル…

「電話がなってますよ?」


「は、はい。」

甲崎が電話をとる。

『金は用意出来たか?』

「100億なんか用意できるわけがないだろう!」

『…そうか。

じゃあいくらなら用意できる?』

「家や何もかもを売ればなんとか10億。」


『なら、それでいい。

明後日までに用意しろ。』


「わ、わかった。」


通話が終わる。

「甲崎さん、

その10億。

無利子で貸します。」

「え?」

「そして犯人を捕まえればその10億を返してください。」

「社長にそのようなことわ…」

「いや、これは皐と睦月さんの仲間としての判断です。」

「…お願いしても、よろしいのですか?」

「はい。

そもそも、皐や睦月さんに危害がなくても住む場所も何もかもがなかったら可哀想ですから。

それに、あなたを助けてほしいと言われましたから。」

「ありがとうございます…」

「明後日までに10億持ってここに来ます。」